WBSCソフトボール殿堂 2025年総会で15名を新たに迎える
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は、競技の国際的な発展と成功に大きく寄与した15名をWBSCソフトボール殿堂に迎えると発表した。式典は、タイ・バンコクで開催された第6回WBSC総会の中で行われた。
2025年の殿堂入りメンバーには国際ソフトボールに深い足跡を残した7名の選手、3名の審判員、3名のコーチ、そして2名の運営関係者が選ばれた。
2025年殿堂入りメンバー
選手
- Kris Kiefel (オーストラリア)
- Natalie Titcume (オーストラリア)
- Tao Hua (中国)
- Marty Grant(ニュージーランド)
- Melisa Tupuivao (ニュージーランド)
- Billy Boyer (アメリカ)
- Michele Smith (アメリカ)
審判員
- Javier Peñaroya (アルゼンチン)
- Andrew Rindfleish(オーストラリア)
- Shao Nian (中国)
コーチ
- Julio Gamarci (アルゼンチン)
- Song Qiuyuan (中国)
- Tommy Wagner (アメリカ)
運営関係者
- Jacinto Cipriota (アルゼンチン)
- Danilo Velasco (パナマ)
1981年に設立されたWBSCソフトボール殿堂はソフトボールの発展に卓越した貢献をした選手、コーチ、審判員、運営関係者を顕彰するもの。殿堂入りは隔年で行われ競技の発展と国際的な広がりを示している。現在、WBSCソフトボール殿堂には38の国・地域から合計281名が名を連ねており、その内訳は選手119名、運営関係者73名、コーチ47名、審判員36名、そして功労者として顕彰された13名(同時に複数のカテゴリーで殿堂入りしているメンバーもいる)。
選手
Kris Kiefel(オーストラリア)
ナタリー・ティッキューム(Natalie Titcume )は、オーストラリアを代表するソフトボール選手の一人。国際舞台で330試合以上に出場し、3度のオリンピック(2000年シドニー、2004年アテネ、2008年北京)と2度の世界選手権(1998年、2006年)を経験。 オリンピックでは銀メダル1個と銅メダル2個、ワールドカップでは銀メダルと銅メダルを獲得し、ソフトボール・オーストラリア殿堂入りも果たしている。その活躍とリーダーシップ、そして競技内外で示した姿勢は、オーストラリアのソフトボール界の発展に大きな影響を与えた。
Natalie Titcume(オーストラリア)
クリス・キーフェル(Kris Kiefel)は、オーストラリア男子ソフトボール史において屈指の名選手として広く知られている。1995年から2013年にかけて男子代表として135試合に出場した。 また、カナダ、米国、日本でプレーし、海外でプロとして活躍した初めてのオーストラリア人男子選手として道を切り開いた。国内では全豪選手権を5度制し、リードシールド賞を受賞。1999年と2000年には最優秀投手、2001年、2004年、2005年には大会MVPに選ばれている。その卓越した選手経歴は高く評価され、2017年にソフトボール・オーストラリア殿堂、2019年にはソフトボール・ビクトリア殿堂にそれぞれ名を連ねた。
Tao Hua(中国)
タオ・ホア(Tao Hua)は1988年に中国代表としてのキャリアをスタートし、1996年、2000年、2004年のオリンピックに出場したほか、複数の世界選手権やアジア大会でも中国を代表してプレーした。 キャプテンも務め、卓越したリーダーシップと勝負所での強さで知られている。1996年アトランタ五輪では、中国が銀メダルを獲得する上で重要な役割を果たし、攻守両面で優れたパフォーマンスを見せた。現役引退後は指導者に転じ、2008年北京五輪では中国代表コーチングスタッフの一員としてチームを支えた。
Marty Grant(ニュージーランド)
マーティ・グラントはまさにソフトボール界を象徴する存在であり、世界屈指の投手、激しい闘志を持つ競技者として、そして競技の枠を超えて大きな影響を残してきた人物だ。 1990年7月にニュージーランド代表としてデビューし、約20年にわたるキャリアの中で世界選手権2回の優勝と2回の銀メダルを獲得した。彼は、1992年マニラ(フィリピン)、1996年ミッドランド(米国)、2000年イーストロンドン(南アフリカ)、2004年クライストチャーチ(ニュージーランド)、2009年サスカトゥーン(カナダ)と数々の世界選手権に出場。 国際舞台での通算成績は驚異の53勝1敗で、この数字は彼をソフトボール史に名を刻む名選手の一人として確固たるものにしている。
Melisa Tupuivao(ニュージーランド)
メリサ・トゥプイヴァオ(Melisa Tupuivao)はわずか15歳で1990年に国際舞台でのキャリアをスタートし、ニュージーランド女子ソフトボール代表に選ばれた最年少選手の一人となった。 その後、2000年シドニー五輪に出場し、1990年、1994年、1998年、2006年のWBSC世界選手権にも出場している。 また、1991年にはジュニア世界選手権にも参加した。メリサはニュージーランド女子ソフトボール代表を象徴する傑出した選手の一人で、選手としてそして指導者・リーダーとしての彼女の功績は今も深く敬意を集めている。
Billy Boyer(アメリカ)
ビリー・ボイヤー(Billy Boyer)は、その卓越した走塁スピードとハッスルあふれる外野守備で、非常に魅力的な選手として知られていた。彼は1988年、1992年、1996年の3度にわたりWBSC世界選手権に出場し、通算99打数46安打、打率.465、14打点、35得点という優れた成績を残している。1988年サスカトゥーン大会ではアメリカ代表の世界一獲得に貢献。また、1995年にアルゼンチン・パラナで開催されたパンアメリカン競技大会に出場し、打率.306を記録。決勝ではカナダに2–1で敗れ金メダルには届かなかった。国内ではASAオールアメリカンに7度選出され内訳はファーストチーム4回、セカンドチーム1回、サードチーム2回だった。 1989年にはファーストチームに選ばれるとともに、大会MVPにも輝いている。
Michele Smith(アメリカ)
ミシェル・スミス(Michele Smith)は、アメリカだけでなく世界でも屈指の二刀流プレーヤーとして知られている。五輪で金メダルを2度獲得し、WBSC女子ソフトボール世界選手権でも3度(1994年、1998年、2002年)優勝に貢献するなど、競技史上でも際立った実績を持つ選手の一人。オリンピックでは通算41.2イニングを投げて60奪三振を記録し、1996年アトランタ大会と2000年シドニー大会でアメリカの金メダル獲得に大きく寄与した。アメリカと日本でプロとしてプレーし、日本ではリーグMVPに7回選ばれ、7度の優勝を経験している。国際舞台でのキャリアは2002年のワールドカップを最後に締めくくられ、その大会では打率.500(10打数5安打、1本塁打、4打点)を残し、登板した試合でも勝利を挙げた。
審判員
Javier Peñaroya(アルゼンチン)
ハビエル・ペニャローヤ(Javier Peñarroya)は、20年以上にわたり国際審判として活躍し、2008年北京オリンピックをはじめ、競技を代表する主要大会で審判を務めてきた。 彼が担当したWBSCワールドカップは7大会に及び、2010年・2012年女子ソフトボールワールドカップ、2013年男子ソフトボールワールドカップ、2007年・2012年・2017年ジュニア女子ソフトボールワールドカップ、そして2012年ジュニア男子ソフトボールワールドカップでも審判を務めた。彼の公平さ、プロ意識、献身的な姿勢で高く評価され、南米の審判たちにとって模範的な存在となり、世界の審判水準向上にも大きく貢献した。
Andrew Rindfleish(オーストラリア)
アンドリュー・リンドフライシュ(Andrew Rindfleish)は、国際審判として尽力した卓越した功績により、深い敬意と称賛をもって記憶されている。10年以上にわたり、複数のワールドカップ、オリンピック予選、地域大会など最高レベルの舞台で審判を務め、どのフィールドでも誠実さ、リーダーシップ、そして高いプロ意識を示した。WBSC公認審判として知られ、落ち着いた判断力と優れた技術に定評があり、その功績は、ソフトボール・オーストラリア殿堂、ソフトボール・ビクトリア殿堂への選出をはじめ、数々の賞によって称えられている。さらに、ソフトボールへの貢献が評価され、オーストラリア勲章メダル(OAM)およびASF(オーストラリアソフトボール連盟)年間最優秀審判賞も授与された。
Shao Nian(中国)
シャオ・ニエン(Shao Nian)は1983年から2016年までソフトボールの審判として活動し、引退後もソフトボール界への貢献を続けている。 国際舞台では1998年女子ワールドカップや1999年アジア女子ソフトボール選手権で審判を務め、さらに1990年、1994年、2010年のアジア競技大会にも携わった。また、審判教育にも積極的に取り組み、多くの優れた審判員を育成するとともに、中国におけるソフトボール規則の標準化にも大きく寄与している。キャリアを通じて審判および技術委員として尽力し、中国ソフトボールの発展に一貫して貢献してきた。
コーチ
Julio Gamarci(アルゼンチン)
フリオ・ガマルシ(Julio Gamarci )は世界トップレベルの舞台でアルゼンチンを歴史的な成功へと導いた指導者。ヘッドコーチとして、2012年・2014年のジュニア男子ISF世界選手権でチームを連覇へと導きた。その後、シニア男子代表を率い、2019年にアルゼンチン史上初となるWBSC男子ソフトボール世界選手権優勝、さらにリマ2019パンアメリカン競技大会で金メダルを獲得している。15年以上にわたり、ガマルシは多くの選手たちに影響を与え続け、アルゼンチンを国際ソフトボール界の強豪へと押し上げた。
Song Qiuyuan(中国)
ソン・チウユエン(Song Qiuyuan)は1982年からソフトボールに携わり、40年以上にわたり、ナショナルチームから地域レベルまで幅広く指導者として活動してきた。国際舞台では、1996年アトランタ五輪で中国女子ソフトボール代表を銀メダル獲得へ導いた中心的存在であり、女子ソフトボールワールドカップ2大会、アジアユースソフトボール選手権3大会でも代表を指導した。国際的な成果にとどまらず、国内のソフトボール発展にも大きな革新をもたらした。中国各地に5つの主要育成拠点を設立するなど、中国のユースソフトボール基盤づくりにおいて重要な役割を果たしてきた。 青少年育成に注いだ尽力は、中国ソフトボールの未来を支える確かな土台となっている。
Tommy Wagner(アメリカ)
トミー・ワグナー(Tommy Wagner)は、1980年と1988年にアメリカ代表を率いてWBSC男子ソフトボールワールドカップで2度の優勝を達成し、さらに1995年パンアメリカン競技大会では銀メダルを獲得した(決勝でカナダに2–1で敗戦)。翌年にはミッドランドで開催された世界選手権でアメリカ代表を4位に導いている。また、1981年に開催された第1回ワールドゲームズでは彼の率いるピータービルト・ウェスタンチームがアメリカ代表として出場し金メダルを獲得した。国内でも、ASA全米選手権で通算5回優勝しており、1980年、1982年、1985年、1986年、1987年と、うち3回は連覇を達成している。
運営管理者
Jacinto Cipriota(アルゼンチン)
ハシント・シプリオタ(Jacinto Cipriota)は、2008年から2024年までアルゼンチンソフトボール連盟の会長を務め、史上最も成功した時代を築きました。彼の指導のもと、アルゼンチンは2019年のWBSC男子ソフトボール世界選手権を制し、ジュニア世界選手権で2度(2012年、2014年)優勝、さらに2023年のU-23ワールドカップで銅メダルを獲得しました。国際的にも、WBSCソフトボールアメリカ大陸副会長やWBSC男子ソフトボール委員会メンバーを務め、自国で複数のパンアメリカン大会や世界選手権の開催にも携わりました。シプリオタの先見性とリーダーシップは、アルゼンチン、そして南米を世界ソフトボールの重要な地位へ押し上げました。
Danilo Velasco(パナマ)
2012年からパナマソフトボール連盟の会長を務めるダニーロ・ヴェラスコ(Danilo Velasco)は女子・男子の両部門でナショナルチームやユースカテゴリーの創設を推進することで国内ソフトボールの基盤強化に新たな道を切り開いた。国際舞台では彼のリーダーシップにより、パナマの中央アメリカ大会や南米大会への参加が着実に定着し、さらに審判員、役員、選手の継続的な育成も促進された。また、パナマでの南米選手権の成功に向けて重要な役割を果たし、女子・男子両部門の中央アメリカ選手権、さらには中央アメリカ・カリブ競技大会や中央アメリカ競技大会といった複合競技大会への参加実現にも寄与した。