2025年のスポーツ総括  ブラインド野球とベースボール5が成長をけん引
26/12/2025 1 記事を読む目安時間

2025年のスポーツ総括 ブラインド野球とベースボール5が成長をけん引

ブラインド野球とベースボール5は2025年もWBSCパラリンピック委員会の活動の中心に位置し、野球・ソフトボール界におけるインクルージョン、革新性、国際協力を力強く推進する存在としての役割をさらに強化した。

一年を通じて、ブラインド野球とベースボール5は、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の推進する『 Sports for All 』の中核的存在だった。


WBSCは、準会員のイタリア・ブラインド野球協会(AIBxC)と緊密に連携し、ブラインド野球の参加者拡大、組織体制の強化、競技の認知度向上を目的とした活動を支援した。

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ベースボール5およびレガシークラブの総括記事でも取り上げられている通り、WBSCは包括的なスポーツへの取り組みをさらに強化した。WBSCの五人制の野球・ソフトボールであるベースボール5を知的障がい者を含むさまざまな社会的立場の人々に紹介することで、WBSCは競技へのアクセスを広げ組織全体の包摂戦略を強化している。

また、知的障がい者アスリートの国際連盟VIRTUSとのパートナーシップも発展しており、WBSCは関心のあるVIRTUS会員向けにベースボール5を導入・支援する取り組みを通じて同競技の普及と実施支援を続けている。

ヨーロッパで広がるブラインド野球の動き

10月初旬、イタリア、イギリス、オランダ、チェコ、ドイツの5か国が、ローマ南部ネトゥーノの歴史あるステーノ・ボルゲーゼ・スタジアムでブラインド野球のヨーロッパ選手権タイトルを争った。ネトゥーノはイタリアでは「野球の街」として知られている。イタリアは無敗で大会を制し、対戦相手を合計50対3で圧倒してヨーロッパの頂点を守った。

AIBxCがヨーロッパにおけるブラインド野球の発展を牽引する一方で、他国も急速に追随している。比較的新しい競技参加国でありながらパラリンピックスポーツの伝統を持つオランダはヨーロッパ選手権期間中に視覚障がい者向けの支援策を実施した。ロッテルダムのネプトゥヌス・ファミリースタディオンではオランダ王立野球ソフトボール連盟(KNBSB)が視覚障がい者向け専用スタンドを設置するなど、観戦のしやすさ向上に向けた取り組みを行い、約100人のファンとその付き添いを迎えた。

この支援策は、2024年にサッカー以外の主要国際スポーツ大会で視覚障がい者向け専用スタンドを初めて設置したパラリンピック水泳チャンピオン、リエセット・ブリンスマの経験に着想を得たもの。彼女の取り組みは、エリートスポーツへのアクセスを向上させただけでなく、他競技もこれに倣うなどの影響を与えた。その功績が認められ、ブリンスマはオランダオリンピック委員会の直近総会でオランダスポーツにおける最も感動的なロールモデルに贈られるパフード・デ・モルタンジェ賞を受賞した。

チェコも今年、重要な節目を迎えた。6月にはプラハ・ベースボールウィークで、チェコ野球協会の支援のもと主催者が「画期的」と称した歴史的なブラインド野球トレーニングセッションが行われた。Eagles Pragueはその勢いを受け、8月にはブラインド野球クリニックを開催。主催者はこれを、ヨーロッパにおける競技発展への「大きな一歩」と評価した。

そしてヨーロッパから世界へ

ブラインド野球は2025年にヨーロッパ大陸を超えて活動の幅を広げた。AIBxCは非営利団体Mother Africa(Mamma Africa)と協力してマダガスカルでブラインド野球を紹介。イタリアのブラインド野球リーグに所属するLeonessa BresciaとUmbria Redskinsの2クラブがボールとユニフォームを寄付し、AIBxCは現地コーチのエリセラ・ラコトノメンジャナハリの指導教育を支援し、ラコトノメンジャナハリはその後、国内でブラインド野球プログラムを立ち上げた。

また、チャイニーズタイペイもブラインド野球の国際的な動きに加わり、国内プログラムを公式に開始した。第3回WBSCブラインド野球インターナショナルカップへの参加を目指しており、9月14日には国内初のトレーニングセッションを開催。同地域での競技発展に向けた新たな章が始まった。このプロジェクトは2024年に構想され、当時中華民国障がい者野球・ソフトボール協会がイギリスを訪れ、WBSCブラインド野球インターナショナルカップに参加したことがきっかけとなっている。

もう一つの節目は、パキスタン・ブラインド野球協会がLeonessaクラブと協力し、両組織の会長を務めるサルワル・グラムの指導のもとで開催した初の「Play for Peace ブラインド野球トーナメント」だ。大会はアフリカ選抜が優勝し、決勝でラテンアメリカを下した。3位決定戦ではヨーロッパがアジアに勝利。大会にはイタリア人選手をはじめ、モロッコ、セネガル、パキスタン、インド、ペルーの5か国に加え、イギリスやハンガリーの選手も参加した。10月にイタリア・ロンバルディア州ベルガモのセバスティアーノ・キア・フィールドで開催され、2026年には第2回大会の開催が予定されている。

2025年は、ブラインド野球のリーダーシップにも重要な一歩が踏み出された。10月、AIBxCはエヴァ・トレビザンを新会長に選出。1980年生まれのトレビザンは、30年以上にわたりイタリアのソフトボール界で中心的存在として活躍してきた人物で、2025年にはピアノロ・ブルー・ガールズで36試合に出場し、打率.390、出塁率.467を記録している。また、イタリア代表として国際試合に213試合出場し、歴代3位にランクインしている。さらに2024年3月には、WBSCを代表してASOIFの「Women Lead Sports Programme」に参加し、国際野球・ソフトボール界における女性リーダーの役割の拡大を示した。

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