2025年総括 WBSC レガシークラブ ベースボール5で持続的な成果をもたらす
24/12/2025 1 記事を読む目安時間

2025年総括 WBSC レガシークラブ ベースボール5で持続的な成果をもたらす

レガシークラブ(Legacy Club)は、野球/ソフトボールを通じて、競技の枠を超えた持続的な価値を残すことを目指している。人々の日常生活の中で競技の存在感を高めながら普及を進め、開催地の地域社会や大会主催者、さらには将来の世代にとって意義あるレガシーを築くことを目的としている。その中核を担う取り組みが、ベースボール5である。

2023年4月6日の発足以来、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)レガシークラブは、スポーツを通じて社会に前向きな変化をもたらすことを目指し活動を続けてきた。文化の違いを越え、教育や健康、さらには社会・経済の発展に寄与することを目的に設立された本取り組みは、ベースボール5を活用した活動、とりわけ避難を余儀なくされたコミュニティとの関わりを通じて、その意義を最も強く示している。

その歩みを象徴する存在が、アズラック難民チームである。同チームは、WBSCレガシークラブにとって最初の成功事例であり、スポーツへのアクセスと機会が結びついたときに、どのような可能性が生まれるのかを示す象徴的な事例となっている。

「アズラック難民チームは、見る人すべてに強い印象を残しました。スポーツがもたらす結束と希望を改めて感じさせてくれる存在です」と、WBSCのリッカルド・フラッカーリ会長は、10月にタイ・バンコクで開催された第6回WBSC総会の場で、参加者に向けて語った。

レガシービジョンから具体的な成果へ

WBSCは2023年、国際連合の「開発と平和のためのスポーツ国際デー」に合わせて、レガシークラブを正式に発表した。これは、スポーツには人々を結びつけ、地域社会を強化し、平和を後押しする力があるというWBSCの考えを明確に示す取り組みである。

レガシークラブは、野球/ソフトボールを通じて、競技の枠を超えた長期的な影響を生み出すことを目指している。競技の普及を進めながら人々の暮らしの中にスポーツを根付かせ、開催地の地域社会や大会主催者、そして将来の世代にとって意義あるレガシーを築くため、ベースボール5を重要なツールとして活用している。

この取り組みは、WBSCの核となる価値観――チームスピリットと友情、誠実さと尊重、伝統と革新、多様性と団結、そして卓越性と楽しさ――に基づいて進められている。

ベースボール5と難民プロジェクト

ヨルダンのアズラック難民キャンプは、このビジョンが具体的な形をとる最初の舞台となった。アムジャド・アラトゥーム監督とアシスタントコーチのリーム・ハドロースの指導のもとで活動するアズラック難民チームは、WBSCレガシークラブの難民プロジェクトの一環として、WBSCユースベースボール5ワールドカップ2025においてシリアを代表した。

このプログラムは競技の枠を超え、参加・インクルージョン・福祉に重点を置いている。2025年までにアズラックでは100人以上の少年少女が積極的にベースボール5をプレーしており、この成果は4月30日から5月3日に開催された第3回Hope and Dreams Festival(希望と夢のフェスティバル)」でもフラッカーリ会長によって強調された。

同会長は、「これは本当に感動的な経験です。単にスポーツを教えるだけでなく、より良い未来への希望を与えることでもあるからです」と述べた。

その勢いは競技の場でも発揮され、2025年にはアズラック難民チームがヨルダン北西部バリラのアル・マヘル財団で開催された王国のラマダンベースボール5トーナメントで、U-17およびU-11カテゴリーで優勝し、複数の年齢層で競技に参加した。また、アズラックおよびザアタリ難民キャンプで行われた「Hope and Dreams Festival」への参加を通じて、ベースボール5がスポーツを通じて若者をつなぐ重要な役割を果たしていることが改めて示された。

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ケニヤに広がるレガシーの活動

WBSCレガシークラブは、2024年8月に活動をアフリカへ拡大し、カクマ難民キャンプとカロベイエ統合居住地にベースボール5を導入した。この取り組みは、アフリカ緊急時高等教育ネットワーク(AHEEN)と連携して行われ、避難を余儀なくされた若者が中等教育を修了し、高等教育や就職への道を切り開く支援を目的としている。

2025年1月までに、カクマとカロベイエの両キャンプではそれぞれ30人の選手によるチームが結成され、週3回のトレーニングを組み込んだ体系的なプログラムが提供された。WBSCの支援はフィールドにとどまらず、栄養や教育、用具(ボールやトレーニング教材など)も提供された。協力校は土曜日の教育セッションのための施設を提供し、学習プログラムは識字能力や計算力のレベルに応じて調整された。

プロジェクトの初年度報告では、男女合わせて60人のベースボール5選手が、7つの大会や親善試合、さらに1つの全国大会に出場したことが記録されている。デニス・ミテイヘッドコーチの指導のもと、スーザン・ナダイ氏とイッサ・ラマダニ氏がサポートし、プログラムは地域の観客から大きな関心を集めるとともに、コミュニティ間の協力関係の醸成にもつながった。

11月には、WBSCとAHEENがパートナーシップを更新し、ケニアでのプロジェクトは2026年12月まで延長されることとなった。更新された合意のもと、この取り組みはオリンピック・ソリダリティの支援を受けたWBSCによって資金提供され、ケニアオリンピック委員会、ケニア国内の野球・ソフトボール連盟、AHEENと緊密に連携して実施される。また、地元コーチの継続的な育成・トレーニングも引き続き行われる。

パートナーからの支援で活動が強化

WBSCレガシークラブの活動は、パートナーからの支援によってさらに力強くなっている。WBSCのパートナーであるSynergy Sportsは、難民プロジェクトやアフリカ・アジアにおける野球、ソフトボール、ベースボール5の普及・発展を支援する寄付を行った。この支援金は、Synergy Sports 国際野球・ソフトボール担当アシスタントディレクターのヒデ・スエヨシ氏により、バンコクで開催された総会の場でWBSCおよびWBSCアフリカに贈呈された。

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